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ありがとうU.W.F. 母さちに贈る [その他]

第2次UWFで専務取締役だった著者が30年近い沈黙を破って
当時の真相を語っている。
前半は第1次UWFでプロレス業界入りした著者の苦労話。
一人の若者が興行社会の洗礼を受ける様子が生々しく描かれていた。

第2次UWFについては今まで各媒体で報道されたことへの反論が目に付く。
会社のため、ファンのためにつくしてきた著者が
横領疑惑をかけられたことへの怒りを露わにしていた。

著者は国が認めている税務調査で問題がなかったことを何度も繰り返す。
ただ新日本プロレスの船木、鈴木が移籍するとき、違約金が必要と考え、
裏金を用意するのだが(選手たちに特別報酬を支払ったことにして税金を軽減する)
レスラーに説明しても、完全に理解させるのは難しかったのではないか。
その裏金は使う必要が無かったので、選手の信用金庫口座を作り、ストックしていた。
前田、高田、山崎には了承を取っていたが、安生、宮戸、中野には事後承諾だった。

こういうややこしいことをすると揉めるし、
あとから前田が連れてきた関係者が帳簿上の不備を指摘するのもわからないでもない。
その関係者を無資格(税理士ではない)と強調しているのも目に付いた。

全体的に仕事ができて自らを正当化するのが上手な人といった印象。
熱意や誠実さを全面に押し出しているので、
悪意の無い人間ほど難しいといったところか。
そして、UWF解散時、真実を話さなかったのは
「ファンの夢を壊さないため」というのは鼻じらむ。
本当に正しかったのなら、
横領をしていないのなら、そのとき言えば良いだけでは。
ヒロイズムに酔えたのは、まだ若かったからか。
週刊プロレス誌上では選手、フロントの言い分が詳細に載っていたので、
今さらといった感が否めない。
ただし、レスラーと違った目線で当時を振り返ることが
できたのは新鮮で面白かった。


ありがとうU.W.F. 母さちに贈る

ありがとうU.W.F. 母さちに贈る

  • 作者: 鈴木 浩充
  • 出版社/メーカー: MIKHOTO出版
  • 発売日: 2018/07/10
  • メディア: 単行本



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