SSブログ

自死: 現場から見える日本の風景 [ノンフィクション]

平成10年に日本は自死者は3万人を越えた。
現在は3万人を割ったとはいえ、
自死者の数は先進国の中では飛びぬけて多い。
その背景には何があるのか。
いじめ、過重労働、大量処方される向精神薬の副作用、貧困、ギャンブル依存といった
事例を取り上げ、現代日本の息苦しい背景に迫っている。
宗教や死生観にも着目し、
かなり幅広い観点で自死を分析していた。
人命より経済効率重視の風潮が日本社会に蔓延っているのが、
生き辛さの根本原因と著者は主張している。

丁寧に取材された本だと感じた。
自殺は「殺」という文字があるため
意思的な死が反社会的、非道徳的と取られてしまいがちだ。
社会の偏見も助長される。
そのため自死という言葉を使用している。
著者だけでなく、行政も使い出したようだ。


自死: 現場から見える日本の風景

自死: 現場から見える日本の風景

  • 作者: 瀬川正仁
  • 出版社/メーカー: 晶文社
  • 発売日: 2016/05/10
  • メディア: 単行本



nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ: