愛と喝采の日々 [映画]
バレリーナとして頂点を極めたエマ、
結婚のためバレエを引退したディーディー。
20年ぶりに再会した2人だが、ディーディーの娘江マリアが
バレリーナとして成功し始めたことで、お互いの感情がぶつかりあってしまう。
仕事と家庭、どっちが幸せか、母娘の対立といった古典的なテーマが
上手く描かれている。
バレエシーンが美しかった。
結婚のためバレエを引退したディーディー。
20年ぶりに再会した2人だが、ディーディーの娘江マリアが
バレリーナとして成功し始めたことで、お互いの感情がぶつかりあってしまう。
仕事と家庭、どっちが幸せか、母娘の対立といった古典的なテーマが
上手く描かれている。
バレエシーンが美しかった。
こぐまちゃんのみずあそび [絵本]
ルポ 虐待: 大阪二児置き去り死事件 [新書]
2010年、大阪市内で発生した二児餓死事件。
母親は育児放棄をして男と遊び回っていた。
何故、このような事件が起きたのか。
母親は鬼畜だったのか。
全ての責任は彼女にあるのか。
母親の生育歴を辿り、親族、関係者に丹念に取材をし、
事件の真相と現代社会の問題点に迫っている。
ネグレクト、非行、性犯罪被害、母親はかなり厳しい人生を歩んできた。
途中、救いの手も差し伸べられてきた感はあるが、
どうしてもこぼれ落ちてしまう。
それでも二児はどこかで救えたかもしれないと思うと胸が痛む。
離婚の際、懲罰的に子どもを押し付けたのではという、著者の指摘は鋭い。
自分が不貞を犯して離婚となったのだから、
責任を持って子どもを育てなさい。基本的には援助はしません。
理屈としては正しいのかもしれないが、
そこに子どもへの愛情や人権という意識は見られない。
実際問題、手に職のない母子家庭は貧困に陥る可能性が高く、
子どもの将来を考えたら、周囲が援助すべきだったのだろう。
母親はSOSの出し方が下手で、諦めも早いため、
行政の支援は受けることができなかった。
ここで行政を攻めるのは酷か。
都会のマンションでは住人同士の交流はない。
転落と袋小路の連鎖から母親は飛んでしまったのだ。
読んでいてかなり切なくなってしまう。
類似の事件が生じないために、私たちは何をすべきか、
考えさせられる内容であった。
母親は育児放棄をして男と遊び回っていた。
何故、このような事件が起きたのか。
母親は鬼畜だったのか。
全ての責任は彼女にあるのか。
母親の生育歴を辿り、親族、関係者に丹念に取材をし、
事件の真相と現代社会の問題点に迫っている。
ネグレクト、非行、性犯罪被害、母親はかなり厳しい人生を歩んできた。
途中、救いの手も差し伸べられてきた感はあるが、
どうしてもこぼれ落ちてしまう。
それでも二児はどこかで救えたかもしれないと思うと胸が痛む。
離婚の際、懲罰的に子どもを押し付けたのではという、著者の指摘は鋭い。
自分が不貞を犯して離婚となったのだから、
責任を持って子どもを育てなさい。基本的には援助はしません。
理屈としては正しいのかもしれないが、
そこに子どもへの愛情や人権という意識は見られない。
実際問題、手に職のない母子家庭は貧困に陥る可能性が高く、
子どもの将来を考えたら、周囲が援助すべきだったのだろう。
母親はSOSの出し方が下手で、諦めも早いため、
行政の支援は受けることができなかった。
ここで行政を攻めるのは酷か。
都会のマンションでは住人同士の交流はない。
転落と袋小路の連鎖から母親は飛んでしまったのだ。
読んでいてかなり切なくなってしまう。
類似の事件が生じないために、私たちは何をすべきか、
考えさせられる内容であった。
死刑でいいです―孤立が生んだ二つの殺人 [ノンフィクション]
2005年、大阪で姉妹刺殺事件を犯した山地悠紀夫。
彼はその5年前、母親を殺害し、少年院へと収監されていた。
山地はどのような人物だったのか。
過酷な生い立ち、アルコール依存症で暴れる父親、ネグレクト気味の母親、
借金に追われる母子家庭、いじめ、不登校、広汎性発達障害、
規則正しい生活に馴染めた少年院、
そこを出た後は過去を知られ店を転々とし、最後はゴト師に。
転がり落ちる人生「私は生まれてくるべきではなかった」という発言は
読んでいるものを切なくさせる。
犯した罪は許されるものではないが、
どこかで救いの手があったならばと思ってしまうだろう。
発達障害が認知され始めた頃に出版されたため、
そのことに関する記述は多い。
ただし山地に関しては成育歴や環境が苛酷なため、
何らかの犯罪に巻き込まれた可能性は高いだろう。
広汎性発達障害で犯罪を犯してしまった人に対しては
「反省」を求めるのではなく、
「再犯防止」に力を入れるべきというところに説得力があった。
日本の司法は「罪への反省」ありきだが、
そういう思考になれない人たちがいることを
知る必要があるのだろう。
貧困と暴力、不景気といった時代背景についても、
いろいろ考えさせられる本だった。
彼はその5年前、母親を殺害し、少年院へと収監されていた。
山地はどのような人物だったのか。
過酷な生い立ち、アルコール依存症で暴れる父親、ネグレクト気味の母親、
借金に追われる母子家庭、いじめ、不登校、広汎性発達障害、
規則正しい生活に馴染めた少年院、
そこを出た後は過去を知られ店を転々とし、最後はゴト師に。
転がり落ちる人生「私は生まれてくるべきではなかった」という発言は
読んでいるものを切なくさせる。
犯した罪は許されるものではないが、
どこかで救いの手があったならばと思ってしまうだろう。
発達障害が認知され始めた頃に出版されたため、
そのことに関する記述は多い。
ただし山地に関しては成育歴や環境が苛酷なため、
何らかの犯罪に巻き込まれた可能性は高いだろう。
広汎性発達障害で犯罪を犯してしまった人に対しては
「反省」を求めるのではなく、
「再犯防止」に力を入れるべきというところに説得力があった。
日本の司法は「罪への反省」ありきだが、
そういう思考になれない人たちがいることを
知る必要があるのだろう。
貧困と暴力、不景気といった時代背景についても、
いろいろ考えさせられる本だった。