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けものみち (上) [小説]

成沢民子は脳軟化症で動けなくなった夫・寛次を養うため
割烹旅館に住み込んで働いていた。
民子が家に戻ると、偏執的な嫉妬心から寛次にいたぶられる。
まだ31歳と若い民子は今の生活から抜け出したい。
そんなとき、赤坂のホテルの支配人・小滝にそそのかされて
寛次を焼殺する。
事件は失火と判断されるが、刑事の久垣は民子を疑う。
行方を追う久垣だが、
民子は政財界の黒幕・鬼頭洪太の愛人となっていたのだった。

殺人を犯した民子だけでなく、登場人物全員に業があり、
けものみちを歩き続けている。
権力者の欲望がグロテスクなのは過去も現在も変わらないのだろう。


けものみち (上) (新潮文庫)

けものみち (上) (新潮文庫)

  • 作者: 松本 清張
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/12/19
  • メディア: 文庫



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