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沢村忠に真空を飛ばせた男―昭和のプロモーター・野口修 評伝 [ノンフィクション]

野口修はキックボクシングを創設し、沢村忠で一大ブームを築く。
その後、五木ひろしをプロデュースし日本レコード大賞を受賞。
そんな昭和に名を残したプロデューサーを徹底取材。

戦前、拳闘家で国士であった父親、戦後のボクシング興行、
タイ式ボクシング対大山道場、作詞家山口洋子との関係、
そして晩年まで、さまざまな時代、角度から野口修の人生を検証している。

そのほとんどが真剣勝負ではなかった沢村忠の試合。
果たして彼の実力は。
著者は結末は決まっていたが、
本当に強くなければタイ人たちとの試合はこなせなかったとの評価を引き出している。
試合の真相を野口修に問いただすシーンは緊張感があった。
タイまで行き、かつての対戦相手にも取材しているが、
読んでいてどこか嬉しいようで切ない気持ちになる。
沢村忠本人への取材はない。

2段組550ページの力作で一気に読ませる内容となっていた。
ボクシング、キックボクシングだけでなく、
戦前から昭和の芸能史、興行師、右翼史などについても知見を深めることができる。


沢村忠に真空を飛ばせた男―昭和のプロモーター・野口修 評伝―

沢村忠に真空を飛ばせた男―昭和のプロモーター・野口修 評伝―

  • 作者: 細田昌志
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2020/10/29
  • メディア: Kindle版



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