凍える牙

1996年の直木賞受賞作。
乃南アサの作品を読むのは初めてだった。
ファミレスで男が突然、炎上するという事件の導入部は刺激的である。
主人公の女性刑事音道貴子が男性社会の中で悪戦苦闘する様子や
コンビとなった中年刑事滝沢の困惑は面白かった。
肝心の凍える牙の持ち主は若干、リアリティが薄く
貴子との精神的なやりとりはやや劇画的かつ浪漫的であり
感情移入がしにくかった。
評価の分かれるところだろう。

凍える牙 (新潮文庫)

• 作者: 乃南 アサ
• 出版社/メーカー: 新潮社
• 発売日: 2000/01
• メディア: 文庫