漫画文庫本について [漫画]
予備校時代、日本史の授業は飛鳥時代に突入していた。
「この辺はマンガ『日出処の天子』に詳しいですね」
熟年女性講師の一言が耳に残り、
帰り道、私は地元商店街の中にあるブックセンターへと立ち寄った。
ちょうど、そのとき見つけたのが
白泉社文庫の『日出処の天子』だった。
それまで漫画は単行本か愛蔵版のイメージしかなかったので、
文庫本が出たのか、と驚いたものだ。
「私たちの時代を覚えておこう」
文庫の紹介にあったキャッチフレーズだ。
白泉社文庫の第一弾が『日出処の天子』と『ガラスの仮面』であり、
まさしく名作を文庫化していくというのがコンセプトだったのだろう。
その後、少女漫画の革新を担ったと言われている「花の24年組」の作家を中心に
名作がどんどん文庫化されていった。
私は小学生の頃から少女漫画を読んでいたが、
『りぼん』系列が中心であった。
歴史的名作といえば『あさきゆめみし』や『エースをねらえ』しか読んだことが無かったのだ。
それだけで少女漫画に詳しいと思っていた私は
『有閑倶楽部』が男女ともに楽しめて、一番良い漫画だと思っていた。
しかし山岸涼子や萩尾望都の作品を読みだしてから、考えが変わった。
俗っぽい表現だが「文学性」の高さに衝撃を受けたのだ。
こんな世界があるのか。
特に山岸涼子は短編において、その鋭く冷徹な視点が際立っていた。
初期に出版された文春文庫での短編集『天人唐草』『夜叉御前』が印象に残っている。
その後、漫画文庫本市場は膨らんでいき、
他社からも随時、過去の名作が出版されるようになった。
だが、年が経つにしたがって、
「こんな作品、覚えておきたくないけどな」といったものが増えてきた。
市場は飽和状態になってしまったのだ。
後は活字の文庫本と同じような運命を辿るだけだろう。
何かの始まりはワクワクするものだ。
漫画文庫本の黎明期により受けた感動。
まさしく、その時代を覚えておこうと思う。
「この辺はマンガ『日出処の天子』に詳しいですね」
熟年女性講師の一言が耳に残り、
帰り道、私は地元商店街の中にあるブックセンターへと立ち寄った。
ちょうど、そのとき見つけたのが
白泉社文庫の『日出処の天子』だった。
それまで漫画は単行本か愛蔵版のイメージしかなかったので、
文庫本が出たのか、と驚いたものだ。
「私たちの時代を覚えておこう」
文庫の紹介にあったキャッチフレーズだ。
白泉社文庫の第一弾が『日出処の天子』と『ガラスの仮面』であり、
まさしく名作を文庫化していくというのがコンセプトだったのだろう。
その後、少女漫画の革新を担ったと言われている「花の24年組」の作家を中心に
名作がどんどん文庫化されていった。
私は小学生の頃から少女漫画を読んでいたが、
『りぼん』系列が中心であった。
歴史的名作といえば『あさきゆめみし』や『エースをねらえ』しか読んだことが無かったのだ。
それだけで少女漫画に詳しいと思っていた私は
『有閑倶楽部』が男女ともに楽しめて、一番良い漫画だと思っていた。
しかし山岸涼子や萩尾望都の作品を読みだしてから、考えが変わった。
俗っぽい表現だが「文学性」の高さに衝撃を受けたのだ。
こんな世界があるのか。
特に山岸涼子は短編において、その鋭く冷徹な視点が際立っていた。
初期に出版された文春文庫での短編集『天人唐草』『夜叉御前』が印象に残っている。
その後、漫画文庫本市場は膨らんでいき、
他社からも随時、過去の名作が出版されるようになった。
だが、年が経つにしたがって、
「こんな作品、覚えておきたくないけどな」といったものが増えてきた。
市場は飽和状態になってしまったのだ。
後は活字の文庫本と同じような運命を辿るだけだろう。
何かの始まりはワクワクするものだ。
漫画文庫本の黎明期により受けた感動。
まさしく、その時代を覚えておこうと思う。
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