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凍原 北海道警釧路方面本部刑事第一課・松崎比呂 [小説]

1992年7月、北海道釧路市内の湿原で少年が行方不明になった。
17年後、少年の姉は刑事として釧路に着任。
湿原で発見された他殺死体の捜査をすることに。
そこで過去に樺太から流れついた女の存在が浮かび上がる。

太平洋戦争末期、
ソ連の樺太侵攻について描かれており興味深かった。
題材としては珍しいのでは。
釧路の気候も影響してか、
全体的にどんよりとした印象が強い話だった。


凍原 北海道警釧路方面本部刑事第一課・松崎比呂 (小学館文庫)

凍原 北海道警釧路方面本部刑事第一課・松崎比呂 (小学館文庫)

  • 作者: 桜木 紫乃
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2012/06/06
  • メディア: 文庫


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それを愛とは呼ばず [小説]

妻を失い会社を追われた54歳の亮介。
芸能事務所をクビになった29歳の紗希。
ふたりは東京のキャバレーで出会い、
引き寄せられていくのだが…

全編、湿り気のある、やや重たい雰囲気で話は進んでいく。
思い込みから静かな狂気への伏線はあるのだが、
最終章はやや唐突な感が否めない。
題名は秀逸。


それを愛とは呼ばず (幻冬舎文庫)

それを愛とは呼ばず (幻冬舎文庫)

  • 作者: 桜木 紫乃
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2017/10/06
  • メディア: 文庫



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森は知っている [小説]

鷹野一彦は南の島に暮らす高校生。
表面上は普通の生活を送っているが、
裏では諜報機関から産業スパイの訓練を受けているのだった…

設定はかなり強引だが、
ハードボイルドと青春がほどよくブレンドされていた。
展開や心理描写に疾走感があり、読後感も爽やかだった。


森は知っている (幻冬舎文庫)

森は知っている (幻冬舎文庫)

  • 作者: 吉田 修一
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2017/08/04
  • メディア: 文庫



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夜光の階段 (下) [小説]

社長夫人の波多野雅子が死亡した。
不審を抱いた枝村幸子は
佐山道夫と親しい岡野正一に調査を依頼する。
決定的な証拠を掴んだ幸子は
殺人を秘密にするからと、道夫に結婚を迫る。
一方、検事の桑山は道夫の行動に疑問を覚え、
彼の行状を独断で調べていくが…

下巻で展開が早くなっていく。
個人情報保護法が存在しなかった時代なので、
捜査の方法や聞き込みなど、
現在では通用しない部分もあるだろう。
欲に捕われた人間の愚かさや醜さ、
因果応報といった部分が上手く描かれていたが、
ラスト付近はややあっけない。


夜光の階段 (下) (新潮文庫)

夜光の階段 (下) (新潮文庫)

  • 作者: 松本 清張
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1985/01/29
  • メディア: 文庫



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夜光の階段 (上) [小説]

美容師の佐山道夫は勤め先から独立するため、
社長夫人の波多野雅子と男女の仲になり、出資させる。
それに加え、婦人雑誌の編集者・枝村幸子とも関係を持ち、
彼女の口利きで有名タレントのヘアデザインの担当になる。
女を利用してのし上がる道夫だが、
徐々に人生の歯車が狂ってくるのだった。

佐山道夫は野心家だが、それほどガツガツしておらず狡猾な印象。
彼に利用された女性たちの方が、独占欲や嫉妬に捕われており、
醜さを露呈していた。


夜光の階段 (上) (新潮文庫)

夜光の階段 (上) (新潮文庫)

  • 作者: 松本 清張
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1985/01/29
  • メディア: 文庫



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