増補新版 河合隼雄 ---こころの処方箋を求めて [学問]
2007年に亡くなった心理学者・河合隼雄氏の追悼を記念したムック本。
ユング心理学を日本で広めるとき
科学的信憑性が疑われそうな「夢分析」ではなく
「箱庭療法」から入ったところに河合氏の
柔軟性と聡明さを感じることができた。
対談も多数掲載されており、大らかな人間性も垣間見ることができる。
柳田邦男氏の追悼エッセイが心に染みた。
ユング心理学を日本で広めるとき
科学的信憑性が疑われそうな「夢分析」ではなく
「箱庭療法」から入ったところに河合氏の
柔軟性と聡明さを感じることができた。
対談も多数掲載されており、大らかな人間性も垣間見ることができる。
柳田邦男氏の追悼エッセイが心に染みた。
増補新版 河合隼雄 ---こころの処方箋を求めて (文藝別冊/KAWADE夢ムック)
- 作者:
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2013/02/26
- メディア: ムック
知識ゼロからの世界史入門〈2部〉近世史 [学問]
こころの最終講義 [学問]
著者は日本におけるユング派心理学の第一人者。
『天地始之事』『日本霊異記』『落窪物語』『とりかえばや物語』などを通して
日本人のこころの在り方や宗教的、文化的背景を
わかりやすく解説している。
講義集なのでたいへん読みやすかった。
『天地始之事』では隠れキシリタンなりの解釈があり、
聖書原本とは異なった部分が多々見られるのが興味深い。
日本人は八百万の神々という考え方が浸透しているので、
唯一絶対神のキリスト教は根本的には理解できず、超訳がみられる。
『落窪物語』では娘が若い男と恋仲になろうとするのだが、
それを継母が阻止しようとして、年老いた男をあてがう。
娘は老人の侵入を必死で食い止める。
西洋ならここで颯爽と若い男がやってきて、
老人を追い払うのだが、この話は違う。
部屋への侵入を食い止められた老人が、
どうやって忍び込もうか思案しているうちに、
寒さゆえ腹を壊してしまい、退散するというオチなのだ。
こんな話、他所ではありませんと河合氏は絶賛していた。
『天地始之事』『日本霊異記』『落窪物語』『とりかえばや物語』などを通して
日本人のこころの在り方や宗教的、文化的背景を
わかりやすく解説している。
講義集なのでたいへん読みやすかった。
『天地始之事』では隠れキシリタンなりの解釈があり、
聖書原本とは異なった部分が多々見られるのが興味深い。
日本人は八百万の神々という考え方が浸透しているので、
唯一絶対神のキリスト教は根本的には理解できず、超訳がみられる。
『落窪物語』では娘が若い男と恋仲になろうとするのだが、
それを継母が阻止しようとして、年老いた男をあてがう。
娘は老人の侵入を必死で食い止める。
西洋ならここで颯爽と若い男がやってきて、
老人を追い払うのだが、この話は違う。
部屋への侵入を食い止められた老人が、
どうやって忍び込もうか思案しているうちに、
寒さゆえ腹を壊してしまい、退散するというオチなのだ。
こんな話、他所ではありませんと河合氏は絶賛していた。